徳川御三家の一つ、紀州家の次男坊源六郎は父の厄年に生れたため、南海の大自然の中で、円妙寺の俊海和尚と乳母お浜に育てられ、暴れん坊ではあるが、正義と勇気を備えた青年としてたくましく成長した。しかし、兄頼職が病弱なのでお守役加納将監は源六郎に帰城を勧めるが、お浜と別れてまで、自分を捨てた親の許に帰る気はないという。源六郎の幸福を願うお浜は、手紙を残して何処かへ去った。城代家老本間主水らは分家の光千代君を世継に推そうとした。そのためには、お浜を源六郎から離さなければならない。一味は、お浜を巧みに源六郎から遠ざけ、お浜を追って宇治山田の宿に着いた源六郎に刺客を向けた。危うく源六郎は頬かぶりの男に救われた。翌朝、困っている漁師に同情のあまり、殺生禁断の高札を引き抜いた源六郎は、駈けつけた役人と昨夜の頬かぶりの男--実は山田奉行の大岡忠相に捕えられ、寺へ送り戻さ... (展开全部)